2016年08月26日

市街化区域を対象に  農地賃貸でも相続税猶予


  国土交通省と農林水産省は23日、全国の市街化区域にある農地を相続する際に

  税を猶予する特例制度について、農地を賃貸して耕作が継続される場合も対象とする

  方針を固めた。

  現在は相続人自身が農業を続ける場合に限り、相続税の大部分が猶予される。

  市街地の緑を守る事で美しい景観を維持し、防災機能も強化できると判断、

  2017年度の税制改正要望に盛り込む。

         相続税を猶予する対象.jpg


  市街化区域の農地は基本的に相続税等が宅地並みに課税されているため、

  重い税負担や後継者不足から農地を手放し、宅地などに転用されるケースが多かった。

  市街化区域の農地は三大都市圏のほか、政令指定都市、県庁所在市等にあり、

  相続税軽減による緑地の保全を狙う。

 
  政府は、市街化区域の土地を高度利用するため、

  農地の宅地並み課税(※)を進めてきた。

  2014年の市街化区域の農地面積は6万3,418ヘクタールで、

  1993年から半減しているが、価値を再評価し、政策を見直す。


  現行では、相続した本人が、三大都市圏の一部地域は終生、それ以外の地域は

  20年間、耕作を続ける事を条件に、納税猶予を認めている。

 
  新制度では、近隣農家や業者に賃貸する等して農業を続ける場合も猶予の対象とする。

  自治体が所有者等に長期間にわたり耕作を継続する計画の提出を求め、

  借り手が替わる合には、その都度審査する方針。


  (※)農地の宅地並み課税

    農地転用による宅地開発を促すため、三大都市圏などの市街化区域にある

    農地に対し、固定資産税や相続税を宅地並みに課税する制度。

    バブル期の土地高騰を受けて、1992年度に現在の制度が導入された。

    耕作を続ける等の条件を満たした一部の農地は除外されている。






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2016年08月25日

民泊新制度の骨格  「民泊サービスのあり方に関する検討会」で判明


  2016年6月20日、全13回にわたる有識者による議論を経て、厚生労働省から、

  「民泊サービス」の制度設計のあり方について最終報告が公表されました。

  今回の検討会における最終答申では、既存の旅館業法とは別の法的枠組みを

  用意する事と並行して、実情に合わせて旅館業法を改正する必要が有ると

  指摘しています。


  ■ 検討会のこれまでの流れ

  2015年11月に開催された第1回検討会では、民泊の実態を把握した上で、

  旅館・ホテルとの競合を含めて検討し、2016年中に結論を得るとしています。


  第2回からは、Airbnbを含めた旅館・ホテル業界、旅行業界、マンション管理組合、

  等の関係者からヒアリングし、幅広い視点で、「安全性の確保」、「トラブル防止」、

  「旅館・ホテル業との公正な競争」、「空き家の有効活用や地域活性化」、

  に付いて議論が重ねられました。


  第4回検討会で、民泊を「簡易宿所」という位置付けにして、許可制とする事で

  概ね一致しました。

  第5回では、「簡易宿所」の床面積や帳場の設置義務等、規制を一部緩和する

  方針でまとまっています。


  ■ 民泊サービスにおける骨子

  民泊の法的位置付けは「簡易宿所」で、「一定の要件」を満たした範囲内で、

  住宅を有償かつ反復継続して宿泊所として提供するものと有ります。

  そして、「一定の要件」、を超えたものは新制度の対象外で、

  旅館業法の営業許可が必要となっています。


  新制度が法制化されれば、「一定の要件」を満たさない、若しくは、超えた民泊は、

  今の様なグレーではなく、明確な黒(違法)になります。

  この「一定の要件」を満たさないまま営業している民泊は、違法民泊として、

  摘発の対象になる可能性があります。


  ■ 緩和された規制(2016年4月1日施行)

  現行の簡易宿所営業では客室の床面積は33平方メートル以上ですが、

  10人未満の宿泊であれば1人当たり3.3平方メートル以上に緩和されました。

  これによって、5人の宿泊人数なら3.3平方メートル×5で、16.5平方メートル以上

  有れば営業可能になります。


  宿泊客を10人未満とする場合、本人確認や緊急時の対応等、一定の管理体制が

  整っている事を条件に、玄関帳場の設置義務が緩和されました。


  これ等の緩和は既存の旅館業法における暫定的な処置で、検討会の答申では

  「住宅」を活用した宿泊サービスの特性を考慮した新たな法制度の整備を

  促しています。


  ■ 施設管理者の規制

  新制度では、住宅提供者は行政に民泊の届け出をする事になっており、

  施設管理者には、以下の義務が課せられます。

    ・利用者名簿の作成・備え付け(本人確認・外国人の場合は旅券の写し)

    ・最低限の衛生管理

    ・宿泊者1人当たりの面積(3.3平方メートル)の遵守

    ・注意事項の説明・住宅内の標語表示

    ・近隣住民などのクレーム対応

    ・保健衛生・警察・税務などに対する情報提供

  民泊の形態を、「家主居住型」と「家主不在型」、に区別し、

  其々に管理者規制が設けられます。


  「家主居住型」は、住宅提供者を管理者として登録し、

  「家主不在型」は、登録された第三者に住宅提供者が管理を委託する事が

  必要だとしています。

  不在型でも住宅提供者を管理者として登録する事は可能ですが、

  民泊投資の場合は管理委託者が必要になるでしょう。


  ■ 仲介業者(Airbnbなど)の規制

  民泊に関わる仲介業者は行政へ登録する事とし、以下の義務が課せられます。

    ・消費者の安全な取引を確保するための取引条件の説明

    ・新制度の「一定の要件」を満たした民泊である事をサイト上に表示

    ・保健衛生・警察・税務等に対する情報提供

  民泊における「一定の要件」に違反した民泊の削除命令や、

  仲介業者が違反を知りつつ掲載した場合の業務停止命令、

  法令違反に対する罰則等を設けるべきだとしています。

  仲介業者への規制や罰則を設ける事で、違法民泊が蔓延らない様にする狙いが

  有る様です。


  規制が緩和されて民泊が解禁されれば、Airbnbの他にも様々な仲介業者の参入が

  予想されます。

  民泊ビジネスに参入する際は、物件選びもさる事ながら、仲介業者を慎重に選ぶ

  必要が有りそうです。


  ■ 年間提供日数の上限

  住宅を民泊に活用できる年間の提供日数(営業可能日数)の上限は、

  180日未満で適正な日数を設定するとされています。

  その際、既存の旅館・ホテルとの競合条件も留意すると有ります。

  提供日数の上限については、地域性を考慮して当該行政の条令で制限する事を

  可能としています。

 
  地域によっては、条令等で提供日数が厳しく規制される事が考えられます。

  特に既存の旅館・ホテルが多い地域では、提供日数が極端に制限される

  可能性があります。

  このため、法律だけではなく、各自治体の条令を睨みながら、投資するエリアを

  選ぶ必要が生じます。


  旅館・ホテルの営業が認められない住宅専用地域でも民泊は営業できるので、

  狙い目は規制の緩やかな住宅専用地域なのかも知れません。

  但し、地域の事情によっては条令等で民泊を禁止する事も可能になるので、

  事前の確認が必要です。


  ■ 今後の注目点

  2016年中に民泊新法が制定される予定ですが、民泊を投資として考える場合、

  最も気になるのが提供日数の上限でしょう。


  営業可能日数が短くなる程、収益を得る事が困難になるので、最終的に上限が

  何日になるのか、が注目される所です。


                    ≪ ZOO Online  8月16日 ≫






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