2017年10月22日

空き家問題よりも怖い! 「都市のスポンジ化」 とは何か?

◆ 都市に 「穴」 があくスポンジ化
「都市のスポンジ化」 と言う言葉をご存知であろうか?。
空き地や空き家を 「都市部に発生した小さな穴」 と見立てた造語だ。
国土交通省の都市計画基本問題小委員会が平成29年8月に発表した
「『都市のスポンジ化』への対応」 に出てくる言葉で、正確には以下の通り
定義されている。

「都市の内部において、空き地、空き家等の低未利用の空間が、小さな敷地単位
で、時間的・空間的にランダム性をもって、相当程度の分量で発生する現象」、
「都市のスポンジ化」 と称する事とした。

「都市のスポンジ化」 は 「空き家・空き地化」 と似ているが、意味合いが少し違う。
「都市のスポンジ化問題」 は 「空き家問題」 と比べると、指し示す範囲が広い。

数年前から空き家が放置される事による倒壊の危険や地域の治安悪化が社会
問題として捉えられ 「空き家問題」 と言われている。
その対策として制定されたのが、「空家等対策の推進に関する特別措置法」
(いわゆる空き家法)で、この法律により適正な管理をされていない空き家に
対して市町村が指導をしたり罰則を課したりできる様になった。
この法律の成果がどれ程のものか、まだはっきりとした答えは出ていないが、
この法律を契機に見込みの無い空き家を朽ちない様に管理し始めた人や、行政に
指導され取り壊し、更地にした人も多いであろう。

この様に、「空き家問題」 は、空き家を利活用する以外にも、 「空き家として
適正に管理する」 事や 「解体して更地にする」 事も解決方法となる。
しかし、数多くある空き家が全て管理の行き届いた空き家と更地になっても、
「空き家問題」が解決するだけで、そこに人が住む等しなければ都市の密度が
低下する事に変わりはない。

都市の密度が低下すると、十分なレベルの行政サービスやインフラ設備が提供
できなくなる可能性も有る。
人口が増大している時に、その時点での人口を想定して作られた施設、例えば、
小学校や役所の出張所等が統廃合される様な例だ。
又、商圏の人口が減る事で経営が難しくなり、商店街の個店やスーパーマーケット
等が地域から撤退し、 「買い物難民」 が生まれるのも都市密度の低下に伴う問題
で有る。

「都市のスポンジ化問題」 とは 「空き家問題」 を含む、より大きな懸念である
と言え様。

◆ 対応策が難しい「スポンジ化」
人口が減っていく今、 「都市のスポンジ化」 が進んでいるのは、
至極当たり前の話だ。
だが、この当たり前の様に起きている 「スポンジ化」 を防ぐ対応策は難しい。

住宅は人口増加に合わせ、より高密度に、より郊外に広がって行った。
これは、市街化区域内でインフラ整備を集中して開発を誘導し、市街化調整区域
では開発を規制すると言う 「線引き」 と言う手法を採る事でそうなった。
行政が線引きを行う事で特定の施設を誘導したり、排除したり、する事は、有効な
施策であるが、それはあくまでも人口増加時に都市が広がろうとしている場合。
「都市のスポンジ化」 線の内外を問わず、ランダムに発生している。
よって、線引きによる対処はむつかしい。

では、 「魅力的な街造りで人を呼び込む」 のはどうか。
この施策は、多くの自治体で行われている。
都市部であれば、 「乳幼児医療の免除」、 「新婚世帯への家賃補助」、
郊外であれば、 「移住者に補助金交付」、 「農耕地の無償貸与」、
と言ったものだ。

この様な施策は、当の行政区に付いては有意義なものだが、地域全体、
日本全体では有意義とは言い難い。
ある行政が、「住みたい街」と思える施策を打ち出し、その受け皿として
空き家・空き地を提供しても、人口の地域間移動が起きるだけだ。
空き家が一つ無くなれば、別の空き家が又一つできる。

「都市のスポンジ化」 を解消するためには、又発生しないためにどうすれば
良いか。
これに対する即効性のある回答は未だ無く、ようやく議論が持たれる様になった、
と言う段階だ。

◆ スポンジ化する街はこんな場所だ!
将来的に 「都市のスポンジ化」 は解消されないかも知れないし、解消すると
しても、いつになるかは分からない。
今のところは、「住んでいる場所でスポンジ化が起きない様に地元コミュニティー
の活性化に力を貸す」、 「スポンジ化しそうなエリアに住む事を避ける」 等、
個人的な努力をするしかない。
最後に、 「スポンジ化しそうな街」 の特徴を類型別に挙げてみる。
引っ越し先の選択等の参考にして欲しいと思います。

【商業地】
* 一度シャッター通りと化した商店街が再活性化するのは困難だ。
  店舗閉鎖後の空き地利用が、駐車場やマンション等の非商業となるのは、
  スポンジ化の兆し。
  百貨店や大型スーパーの撤退も要注意。

【住宅地】
* 道路幅が狭いエリアは要注意だ。
  再建築が難しかったり、若しくは、できなかったり、する場合が有る。
  再建築ができたとしても、道路が狭いエリアでは敬遠する層が多く、
  人口の流入が見込み難い。

【住・工混在市街地】
* 工場の移転や撤退は要注意。
  当該地だけでなく、周囲に住んでいた工場勤務者が一斉に住まいを引き
  上げるため、空き地だけでなく、空き家も一気に増える可能性が有る。
  但し、工場跡地に、マンションや一戸建てが直ぐに建つ様なリアでは
  余り問題は無い。

日本の住宅地は、田んぼや畑が住宅やマンションに変る事で、数戸から数十戸、
数百戸単位で一気に広がった。
しかし、縮小段階では、「一気に」 ではなく、一件ずつじわじわと空き家や
空き地が増加している。
「都市のスポンジ化」 に対する即効薬は今の所無い以上、住まいを選ぶ側と
しては、スポンジ化し難いエリアを狙うと言う自衛策が望ましい。
又、今住んでいる街に、スポンジ化の兆候が有るか、無いか、予測する
参考としても利用できるだろう。

【参考サイト】
* 都市計画基本問題小委員会中間とりまとめ 「都市のスポンジ化」 への
  対応(PDF)(国土交通省)

                  ≪ ヤフージャパン 不動産 10月17日 ≫






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2017年10月21日

「親が亡くなる前」 に行う節税対策の王道

◆ 「生前贈与」 は年間 110万円までが無税
もし自分の家で相続税が掛かる事が発覚しても、例えば一部のお金に関しては
申告しないでおく等、何処かに抜け道が有るのではないだろうか。

税理士は、「相続税をゼロにする裏技は、残念ながら有りません。しかしながら、
今ある制度を使ってかなりの節税をする事は可能です」、ときっぱり。
何人も、相続税から逃れる事はできないのである。

では預貯金等まとまった金融資産のある場合は、どんな節税対策が有るのだろう。

王道は生前贈与です。
暦年課税と相続時精算課税のどちらかの課税方法が選択できますが、お勧めは
暦年課税です。
年間 110万円までが基礎控除となるので、それ以下なら税金が掛からない上、
贈与税の申告も必要有りません。

当初より計画された一括贈与と見做されなければ、これを利用すれば、10年間で
最大 1,100万円を無税で子供や孫に贈与する事ができる計算となる。
この他にも、「結婚・子育て資金」、「住宅取得資金」、「教育資金」、と言った、
一定の条件下では非課税となる贈与制度が有るので、当て嵌まるものが有ったら
積極的に活用した方が良さそうだ。

◆ 節税以外にも有る以外なメリット
しかし、税理士さんが最も勧める方法は、生命保険を上手く使う事だそうです。

生命保険は契約者と被保険者が同じで、保険金の受取人が異なると、保険金は
相続税の対象となり、500万円 × 法定相続人の数まで非課税となります。
親が限度額一杯の保険に加入し、受取人を妻や子供にしておけば、その分は
税金を支払わずに相続する事が出来るのです。

つまり、法定相続人が妻と3人の子供なら、一人当たり 500万円、
合計 2,000万円が非課税の対象となります。
但し、法定相続人以外の受取人には非課税枠は適用されません。
又、非課税を超えは保険金は、課税対象となるので、注意が必要です。

◆ 更に生命保険には、節税以外にも意外なメリットが有る。
それは、受取人を自由に指定できると言う点です。
自分の財産は、最後まで面倒を見てくれた末の娘にできるだけ譲りたいと
思えば、彼女を受取人にして生命保険に入っておくと、死亡時には彼女に
保険金が下ります。
しかも、死亡保険金は受取人固有の財産で有って、相続財産ではないので、
他の相続人に分ける必要は無いのは勿論、末娘は保険金以外の法定相続分
を求める事も出来るのです。

配偶者、親、兄弟姉妹だけでなく、近い親族も状況によって受取人の
対象になるので、この方法なら、長男の嫁にお金を残したいと言う時にも
使える事も有る。
但し、長男の嫁は法定相続人ではないため、前述の非課税枠は使えない。

◆ 突然親がなくなってしまったら悲惨
使い勝手が良く節税効果も高い生命保険は、大いに活用すべきだと言えるが、
一方で、人の命が関わってくるため、親から言い出すならともかく、子供からは
中々口にし難いところも有る。
実際、「お父さん、私を受取人にして生命保険に入っておいてくれない?」、
と頼まれたら、誰だって余り気持ちは良くない筈だ。

保険に限らずお金の話は、親子でも中々し難いものです。
だからと言って、何の準備もしない内に、突然親が亡くなってしまったら悲惨です。
親の口座からお金を引き出そうと、通帳と印鑑を持って銀行や郵便局の窓口に
出向いても、今は、本人でなければまず出してくれません。
そうすると、葬儀費用の支払いにも苦労する事になります。
その様な急場の出費をしのぐためにも、親の機嫌の良い時を見計らって、
キャッシュカードの保管場所と暗証番号位は、聞いておいた方が良いでしょう。

そうしてお金の話をし易い空気になったら、様々な相続税対策の一つとして、
保険について切り出してみては如何でしょう。

           ≪ PRESIDENT ONLINE  10月15日 ≫






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