2017年04月30日

繰り上げ返済に落とし穴 住宅ローン控除、打ち切りも


住宅ローンを借り換えたり、繰り上げ返済したりすると、将来の家計の負担を
減らせる事が有る。
但し、うっかりミスで住宅ローン控除が打ち切られて税金が増えてしまう事も。
気をつけるべきポイントをまとめた。

住宅ローン控除はローンの年末残高の1%分を最長10年にわたって所得税等から
差し引いてくれる仕組み。
一般的な住宅なら上限は年40万円だから、計算上は税金を最大400万円も減らせる。
ところが、色々条件が有り、これを知らずに打ち切りの憂き目に合う人が少なくない。

東京都の会社員Aさん(40代)は、
「計算したら200万円近い損失で、愕然とした」、と振り返る。
2014年に期間10年のローンで一戸建てを買い、その年はローン控除をして貰ったが、
翌年に300万円を繰り上げ返済したのが失敗だった。

Aさんは繰り上げ返済をしても月々の返済額はそのままにして、
完済までの期間を2年短くした。
ローンの期間が8年になった訳だが、実はこれが大きなミス。
ローン控除は「期間10年以上」でなければ認められない。
Aさんは、「借入時に10年以上であれば大丈夫と思っていた。ネットで手続きしたので
だれも注意してくれなかった」、と悔やむ。

ファイナンシャルプランナー(FP)は、
「最近は借り換えのうっかりミスによる打ち切りも目立つ」、と話す。
別の金融機関に借り換える場合、その後の返済期間が10年以上でなければ控除して
貰えない。
支払金利を多少増やしてでも新しいローンの返済期間を10年以上にして、
控除を継続するメリットの方が大きい事が多い。


因みに、ローン控除をして貰える期間はマイホームを買って入居した年から最長10年。
これはローンを借り換えても延長されない。

繰り上げ返済や借り換えで失敗しても挽回はできる。
残っているローンを改めて別の金融機関で借り換えし、
そのローンの返済期間を10年以上にすれば良い。
期間延長に応じる金融機関もあるので打診してみよう。
借り換えには手数料等のコストが掛かるが、それでもメリットが有るか、良く確認したい。

この他、住宅ローン控除はマイホームの取得を後押しするのが目的なので、
そこに住んでいなければ控除の対象にならない。
転勤の場合、家族を残しての単身赴任なら原則として控除は継続できるが、
家族揃って引っ越してしまうと控除は一旦中断。
ローン控除の期間が残っている10年目までに戻ってくれば、控除を再開して貰える。

一戸建て、マンション共に、床面積や耐震性能によっては控除して貰えない物件が有る。
取り分け、「床面積が50平方メートル以上」という条件は要注意だ。
広告に記載される床面積が50平方メートル以上でも、控除できるかどうかを判断する
不動産登記の床面積が50平方メートルに満たない事が有る。
広告では通常、少しでも広く見せるため「壁芯」という方法で計算しているからだ。

床面積の不足は買ってしまってからでは挽回できない。
登記上の床面積は壁芯よりも1割位少ない事も有る。
壁芯で50平方メートルをやや上回る位の物件なら、必ず登記上の床面積を
確認しておきたい。

中古住宅は、一般的な一戸建ては築20年以下、マンション等耐火建築物は築25年以下、
であれば控除の対象になる。
それより古くても、耐震性能に付いて証明書等を取得すれば控除を受けられる。

ローン控除は計算上は最大400万円だが、上限一杯のメリットが出るケースは少ない。
ローン残高は年々減るし、抑々、年40万円を差し引ける程の所得税を払っていない人が
多いからだ。
所得税で引き切れない分は一定額まで住民税から引くが、
高校生や大学生の子どもがいて、扶養控除が大きい人は、
それでも引ききれない場合がある。

           ≪ 参考図書  日経電子版 マネー研究所  4月27日より ≫





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2017年04月29日

固定資産の交換の特例(2)

 E 交換譲渡資産と交換取得資産との価格の差額(交換資産)が、
   何れか高い方の価額の20%以内である事。

   「価額」とは、その物の値打ちですから、いわゆる「時価」と解されます。
   「相続税評価額」も価額、「固定資産税評価額」も価額、或は、「公示価格」や
   「基準地価」も価額ですが、ここ言うのは「時価」、つまり売り急ぎや買い急ぎ、
   等の事情が無いとした時に、通常成立するであろう取引価格の事を言います。
   ですから、自ずと一定の幅を持った金額となりますが、これに付いて、
   所得税法基本通達58−12は、以下の様に述べています。

   「固定資産の交換が有った場合において、交換当事者間において合意された
    その資産の価額が交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定されて
    いると認められるものである時は、その合意された価額が通常の取引価額
    と異なる時であっても、法第58条の規定の適用上、これ等の資産の価額
    は当該当事者間において合意されたところによるものとする。」

   即ち、交換の当事者である相手方と自分との間で時価が合理的に合意された
   なら、例えその時価が、世間で言う「相場」とは違っていても、この要件の
   判定に当たっては、当事者間で合意された金額をその資産の「価額」とする、
   と言う事です。

   例えば、自分がどうしても欲しい土地なら、相場的にはその土地より相当高い
   土地とでも交換したいと思うでしょう。
   そう言った場合には、相場的に相当アンバランスな交換がなされたとしても、
   当事者間では等価として合意されている訳ですから、この要件を満たす、
   と言う事になります。

   もし当事者間で合意された時価に差異が有れば、当然それは金銭、又は他の
   資産で清算するでしょう。
   その差額を「交換差金」と言います。
   交換差金を受け取れば、その部分には当然に課税されます。

5.交換差金に付いて
 交換譲渡資産と交換取得資産について、当事者間で合意された時価の差額が
 交換差金なのですが、これは必ずしも金銭で清算される訳ではありません。
 例えば、更地と古家付きの土地とを交換した様な場合、古家の価値相当分は
 「建物」と「土地」との交換となってしまうため、特例の適用は無く、古家の
 時価相当部分は「交換差金」と言う事になります。

 又、交換差金に付いて当事者間で合意された価額に差が有り、その差額が
 「交換譲渡資産と交換取得資産の何れか高い方の価額の20%」を超えて
 しまうため、一つの資産の内、交換特例が受けられる範囲内の部分を交換、
 それ以外の部分を売買とした様な場合は、その売買代金相当額は交換差金
 と見做されます。(所得税法基本通達58−9)。

6.実務上は
 親と子、夫と妻等、特殊な関係が有る者同士で交換が行われた場合の
 交換特例の適用の判定に当たっては、上記 E の「交換差金が何れか高い
 方の価額の20%以内」の判定には注意が必要と思われますが、利害が
 対立する当事者の間で行われた交換に付いて、交換特例の適用を判定する
 場合は、事実上、上記 E の要件は皆クリアする事になります。

 固定資産の交換に付いては、不動産の売買の様な市場は無く、他人同士
 での交換は事実上、仲の良いお隣同士位しか成立しないと思われます。
 ですから、実務上は、身内同士の共有状態の整理に利用される事が多い
 のですが、身内同士であっても、合意された価額が合理的に算定された
 ものならば、その価額は特例の要件の判定上十分尊重される事になります。

7.固定資産の交換の特例を適用した資産の取得費等
 固定資産を交換して譲渡所得の特例を適用した資産の取得費は、相手方に
 引き渡した交換譲渡資産の取得費を引継ぎます。
 と言う事は、交換譲渡資産に付いて認識すべきキャピタルゲイン(値上り益)
 は、交換取得資産に引き継がれますから、この特例は「買換特例」と同じく、
 課税の免除ではなく、課税を繰り延べているに過ぎない、と言う事になります。
 只、「買換特例」異なるのは、交換譲渡資産から引き継ぐのは、取得費だけで
 なく、取得時期も引き継がれる、と言う事です。

 もし、交換差金を支払った場合は、その交換差金相当額と引き継がれた取得費
 との合計額が、交換取得資産の取得費となります。

 各々の交換資産の相続税評価額や固定資産税評価額の差額が、20%を超えて
 いるからと言って、特例の適用を諦めるのは早いですよ!。


 ※土地建物の交換をした時の特例に付いての詳細は、国税庁ホームページ、
  No.3502を参照して下さい。

         ≪ 参考資料  月刊 不動産フォーラム21 より ≫

posted by 弘不動産コンサルティング事務所代表 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする